「余命72時間です」その全てを大切な家族と過ごしたい、在宅医療という選択

「余命72時間」家族の入院先で突然そんなことを言われたら何を思いますか?時間とともに悪化する病状。何もできないならせめて一緒にいたい。病院から自宅へ。在宅での看取りの実際を説明します。

余命宣告イラスト/無料イラストなら「イラストAC」

家族は何もできない?こんな状態でも帰れる?在宅看取りとは

余命わずかと宣告されたら、家族として何かできないかと思うのは当然のことです。
「何もできないならせめて一緒にいたい。少しでも本人を安心させたい。」その思いを叶えるのが在宅医療です。

点滴や尿の管が入っていても、痛みが強くても、自宅に帰ることができます。病院で行っていた医療的な処置やケアは、自宅でもできます。
24時間、医師や看護師と連絡がとれ、ちょっとした相談はもちろん、いつでも診察に来てもらえる。在宅医療は、本人だけではなく、家族の安心をサポートします。

在宅看取り

在宅調整、時間がない中で何をしたらいい?

不安を取り除いてから自宅に帰ることは理想ですが、家族が専門的な医療の知識を急いで身につけることや、特別な準備をする必要はありません。
状況にもよりますが、最短でその日のうちに帰ることも可能です。安心して自宅に帰れるよう、家族と相談しながら在宅医療チームが考え、必要なものを手配します。

家族の心構え

残された時間が少ないということは、帰る道中も含めて急変の可能性が高いことは頭に置かなければいけません。そして、ここから先は24時間体制の介護。家族が自宅で看取ることを後悔しないよう、不安は在宅医療チームに相談してください。
また、家族が看取りに向かって起こる身体の変化を知っておくことは、最期の瞬間まで本人との時間を大切に使うことにもつながります。

本人と家族を支える在宅医療チーム

訪問診療の医師、訪問看護師が定期的に訪問し、緊急時も24時間体制で診察や相談ができます。また、身体の状況に応じてサービスを調整するケアマネジャー、排せつなど日常のケアを行うヘルパーなどが必要に応じて介入し、サポートをします。
本人の状態をつねに情報共有し、家族と一緒にケアに取り組むチームです。

医療チーム

看取りの準備から最期

最期の経過はさまざまですが、医師や看護師からこのような説明があります。

①どのような変化をたどるか
②体調の変化があったときに、医師や看護師に連絡するタイミング
③夜間や休日の緊急連絡先


いざという時に慌てないよう、日ごろから家族で共有しておきましょう。

余命72時間で自宅に帰った患者さんと家族

ここからは、実際に余命72時間と言われ自宅に帰られた患者さんのエピソードをご紹介します。
乳がん末期の40代の患者さん。病院でもう治療法はないと言われ、自宅に帰ることを考え始めた矢先、状態が急激に悪化。医師から「余命は3日」突然そう告げられました。

自宅は厳しいと言われた中での退院

自力で寝返りもできず、少し動くと叫び声をあげるほど痛みが強い状態でした。
点滴、尿の管、全身のむくみ、激しい痛み。本人の苦痛を考え、病院から「もう家には帰れない」と言われました。しかし、痛みで意識が遠のく中、「帰りたい」と本人。その一言で、家族は自宅で看取ることを決めました。

家族の意志を確認したその日のうちに在宅医療チームを編成、自宅にベッドを設置し、苦痛がないよう10人がかりで病院のベッドから介護タクシーにうつりました。
痛み止めの点滴をつなぎながら、急変にそなえて看護師が同乗し、訪問診療の医師と訪問看護師が待つ自宅へ。家族と在宅医療チーム8人でなんとか自宅のベッドにうつりました。本人は痛みで叫びながらも「家だ、ああ幸せ」とホッとした笑顔を見せてくれました。

退院

看取り後の家族の気持ち

自宅に帰って75時間後、家族に見守られ穏やかに亡くなりました。帰宅してからはほとんど眠らずに介護されていた家族でしたが、「あの時帰る決断をして本当に良かった」とおっしゃっていました。不安も多い中、家族と在宅医療チームの思いが一つになり、大切な時間を過ごすことができました。

まとめ

「最期の時間を大切な人と住み慣れた自宅で過ごしたい」その思いを叶えるのが在宅医療です。どんな状況でも本人と家族の意思を尊重し、穏やかな最期をサポートします。

今回は「「余命72時間」在宅医療」について、ご説明させていただきました。お近くの在宅医療対応の医療機関はコチラから検索可能です。
https://zaitakuiryou.site/

NEW !!

在宅医が見つからない、
そんな時に・・・

自分にあった在宅医が見つからない方必見!
患者様の情報をご提出いただくと、
その条件に合った在宅医から連絡が来ます。

在宅医療どっとコムに
クリニック情報を掲載しませんか?

在宅医療どっとコムは在宅医療に取り組む多くのクリニックから情報をご提供いただき、在宅医療の普及を支援することを目的として運営しています。
在宅医療を必要とする患者様やそのご家族と在宅医療を提供するクリニックを繋ぐ場として、ぜひご利用ください。

無料掲載を申請する

お気軽にお問い合わせください

掲載のご相談は無料となっておりますのでお気軽にご連絡ください。
お問合せから2営業日以内にご返答させていただきます。
オンラインMTGツールを使用したご相談も可能となっております。