末期がん患者さんのご家族にとって、自宅での生活には介護負担や疲労、看取りなど、毎日多くの不安がつきまとうのではないでしょうか。
日ごとに症状が変化し、気持ちが揺れることもあるでしょう。

訪問看護を毎日利用することで、医療面での不安を軽減し、自宅での穏やかな療養生活を送ることができます。

この記事では、末期がんにおける訪問看護の役割と毎日利用するメリット、具体的な利用方法を説明します。
ぜひ最後まで読んで、在宅療養の参考にしてください。

末期がんの訪問看護を毎日利用するメリットと必要性

末期がん患者さんとそのご家族が安心して在宅療養を継続するためには、医療専門職による定期的なケアが欠かせません。
訪問看護を毎日利用することで得られる3つのメリットを紹介します。

24時間365日の医療サポートで緊急時にも安心

末期がん患者さんの訪問看護では、24時間対応の訪問看護ステーションを選ぶことが重要です。
痛みの対応や看取りの相談など、心配事が増えるなか、毎日の訪問看護体制があることで、急な症状の変化にも迅速に対応できます。また、夜間でも電話で看護師に相談できるため、ご家族の不安も軽減できます。


痛みや症状の緩和ケアで患者さんのQOLをサポート

末期がん患者さんには、できるだけ痛みのない穏やかな生活を送っていただきたいものです。訪問看護では、患者さんの生活の質(QOL)をサポートするため、ご本人の意向に沿った緩和ケアを提供します。

毎日の訪問看護を導入することで、予期せぬ病状の変化にも備えることができるでしょう。たとえば、急な痛みや息苦しさ、不安などにも柔軟に対応します。

ケアの内容として、以下のようなサービスを提供しています。

  • 痛みのコントロールと症状緩和 
  • 傷の処置
  • 床ずれ予防
  • 清潔ケア(口腔ケア、清拭、オムツ交換など) 
  • 精神的ケアの提供 
  • 日々の体調に合わせた柔軟なケア


ご家族の介護負担軽減と孤立感の解消

毎日の訪問看護は、患者さんだけでなく以下のようなご家族のサポートにもつながります。

  • 身体的負担の解消
    毎日の看病や家事、お世話など、ご家族の介護負担は大きく、睡眠不足になることもあるでしょう。
    ご家族が日々の介護で疲れ切った体を休ませる時間が得られます。
    訪問中は看護師に任せ、遠慮せず休息をとりましょう。
  • 精神的負担の解消
    ご本人の病状変化にどう対応すればいいか、判断に迷うことが多くなってきます。
    看護師が毎日病状を観察してくれると安心です。
    また、医療器具の管理やケアなど、適切な助言や指導をしてくれます。
  • 孤立感の解消
    今後の方針や漠然とした不安についても相談できます。
    「一人ではない」という安心感を得られるでしょう。
    たとえば、病状が悪化した際に自宅療養を続けるのか、それとも施設利用を検討するのか、一緒に考え助言をもらうことができます。


具体的なサービス内容についてはこちらをご覧ください≫「【穏やかな最期のために】末期の悪性腫瘍を抱えても訪問看護で実現する自宅療養

末期がんの訪問看護を毎日利用する場合の手続きと費用

末期がんの患者さんが訪問看護を毎日利用するための具体的な手続きの方法と費用について説明します。

医療保険適用での費用の目安

末期がんの方の訪問看護には、介護保険ではなく医療保険が適用されます
医療保険では、ご本人の負担割合に応じて費用が異なります。

訪問看護の基本的な自己負担額は以下の通りです。

訪問看護費用の目安(一回あたりの自己負担額)

負担割合月の初日の訪問月2日目以降、週3日目までの訪問週4日目以降
1割負担の場合1,425円855円955円
2割負担の場合2,850円1,700円1,800円
3割負担の場合4,725円2,565円2,665円

たとえば、1割負担の方が毎日訪問看護を利用した場合の1カ月の基本利用料は以下のように計算します。

月の初日1,425円+2日目以降週3日目まで855円×13日+週4日目以降955円×16日=27,820円

なお、この金額に加えて、24時間対応体制加算などが追加される場合があります。
実際の費用は、利用者さんの状態や訪問看護ステーションの体制により変動しますので、詳しくは各ステーションにお問い合わせください。


複数の訪問看護ステーションを利用できる


末期がん患者さんは、複数の訪問看護ステーションを利用することができます
これにより、より手厚いケア体制を整えることが可能です。

利用可能な訪問看護ステーションの数は以下のとおりです。

  • ​​​​​​週4日以上の利用:2つの訪問看護ステーション
  • 毎日の利用:3つの訪問看護ステーション

複数のステーションを利用する場合でも、各ステーション間で情報共有が行われ、一貫した看護計画に基づいてケアが提供されます。
このため、ご利用者さまは安心して必要な看護サービスを受けることができます。

利用できる回数や費用負担について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
≫「【末期の悪性腫瘍】​​訪問看護の回数の最適化で、その人らしさを実現する

訪問看護を毎日利用できない場合の対応策と工夫

訪問看護を毎日利用したいと思っても、地域や状況によっては難しい場合もあります。
そのような場合でも、以下のような工夫で安心な在宅療養を実現できます。

訪問看護の利用頻度調整と他サービスの組み合わせ

毎日の訪問が難しい場合でも、医療と介護の様々なサービスを組み合わせることで、切れ目のないケアを実現できます。

以下のような組み合わせ方が効果的です。

  • 訪問看護と訪問診療の連携(医師による定期的な往診) 
  • 訪問看護と訪問介護の併用(ホームヘルパーによる生活支援) 
  • 複数の訪問看護ステーションの利用による訪問日の分散 
  • 通所サービスの利用(体調が安定している時期)

緊急時の対応体制づくり

 毎日の訪問がない日でも、急変時に備えた体制を整えることで安心感を得られます。

以下の準備をしておくことが重要です。

  • 24時間対応可能な訪問看護ステーションの連絡先リストの作成 
  • 昼間と夜間の連絡先の区別と優先順位の明確化 
  • かかりつけ医や救急外来の連絡先の整理 
  • 救急搬送が必要な場合の判断基準の確認

緊急時対応については、こちらの記事をご覧ください。
【いつでも相談できる!】訪問看護の24時間対応|仕組みと料金をわかりやすく解説

入院機能を活用した在宅療養の組み立て

在宅療養を継続しながら、必要に応じて入院機能も活用することで、より安定した療養生活を送ることができます。医療機関の機能を活用する方法として、以下のものがあります。

  • レスパイト入院(介護者の休養のための短期入院) 
  • 症状コントロール目的の短期入院 
  • 在宅療養支援病院によるバックアップ体制の確保

これらの対応策はケアマネジャーや主治医、訪問看護師と相談しながらご本人とご家族の状況に合わせて選択していくことが大切です。
状況が変化した場合は、随時プランを見直すことも可能です。

まとめ|安心につながる訪問看護

訪問看護は、末期がん患者さんとそのご家族に大きな安心をもたらします。
24時間対応のサポートや柔軟なケアを通じて、患者さんの生活の質(QOL)を支えています。

毎日の訪問看護を活用し、在宅療養を安心して続けられる環境を整えることが大切です。
痛みや苦痛を最小限に抑えることで、ご自宅で穏やかな時間を過ごせるでしょう。
まずは、かかりつけ医や近くの訪問看護ステーションに相談してみましょう。


【X紹介文】

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