在宅医療では病院ではなく、患者さんの自宅や入居施設に医療者が訪問して診察やケアを行います。
今回のコラムでは、病院で入院療養を行う場合と比較した、在宅医療のメリットデメリットについて解説します。

解説


一般的に短期の入院で治癒可能な病態の場合は治療の確実性から入院での加療が選択されます。
ここで言う入院療養とは、疾患の終末期や老衰が進行による、終の棲家としての病院加療を示します。

また、老衰が進んだ状況であっても、入院療養が適応となる病態は限定されています。
まず、患者さんの病態に入院療養の適応があるのか、在宅医療で療養することが可能かどうかを、
医療機関に確認してから方針をきめましょう。

医療機関に確認

在宅医療のメリット

在宅医療にはどのようなメリットがあるのでしょうか。入院療養と比較して解説します。


慣れ親しんだ家庭で余生を送れる
患者さんご本人が在宅医療を希望される場合、「家に帰りたい」というのが一番大きな理由です。
慣れ親しんだ自宅で残された時間を過ごしたいと思われるようです。


最期までその人らしく生きられる
入院は特殊な環境です。基本的に治療を受ける場であり、生活をする場ではありません。
リハビリを受けられる病院もありますが、単位数は限られています。
病状が落ち着いている方のケアは、そうでない方と比べると手薄にならざるを得ません。
治療に必要な介入以外、刺激がない環境に置かれます。
認知症が進むこと、身体機能が衰えることは避けられません。食事は給食となりますし、
当然お酒やたばこは禁止です。

対して在宅医療では、自宅で自由に過ごすことができ、“生活”することができます。
嗜好品の摂取もできます。入院療養よりは刺激のある暮らしを送ることができ、
最期までその人らしく生きることができます。


家族とふれあう時間をとりやすい
余命の短い患者さんにとって、残された時間は非常に大切なものです。
病院では面会時間が決められていますし、コロナ禍においては完全に面会禁止となっている病院も多くあります。
結果的に終末期や老衰の患者さんが危篤の状態や永眠された時に、入院後はじめて対面することとなります。
残された時間を家族と一緒に過ごしたい患者さんにとって、在宅医療は良い選択肢です。


入院療養よりも経済的負担が少ないことが多い
一般的に入院療養を続けるより在宅療養に移行した方が出費は抑えられます。
具体的な金額は療養する病院や地域によります。

在宅医療のデメリット

在宅医療にもデメリットがあります。
主治医から詳しく説明されると思いますが、ここでは一般的な事項について解説します。


急変時の即時性は病院に劣る
急変が起きた時、病院ではすぐに看護師や医師が対応しますが在宅医療では往診対応となります。
そのため即時性は入院療養に劣ります。
ただ病態として終末期や老衰の場合、延命だけがご本人、ご家族の幸せとは限りません。

この点は割り切って在宅療養を選択する方も多くいらっしゃいます。
ご本人、ご家族の価値観に照らし合わせて方針を決めましょう。


介護者の負担
入院療養と比べると介護者の負担は多いですが、訪問看護やヘルパー、入浴介助など在宅療養に特化したサービスを利用できます。


入院療養で行う医療行為の全てが在宅療養で継続できる訳ではない
病院で行っている治療を全て在宅療養に移行できる訳ではありません。
技術的に困難な治療もあります。他の治療法に代替できる場合もあるので、
在宅医療を希望するときは入院主治医やケースワーカー(ソーシャルワーカー)に相談しましょう。



まとめ
在宅医療は患者さんが最期までその人らしく生きられる治療選択肢です。病態によって難しい場合もありますが、入院療養の継続(=病院を終の棲家とすること)が良いのか、ご家族でよく話し合いましょう。

いかがでしたでしょうか?
今回は「在宅医療のメリットとデメリット (入院診療とくらべて編)」について、ご説明させていただきました。お近くの在宅医療対応の医療機関はコチラから検索可能です。
https://zaitakuiryou.site/

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