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COPDってなに?
COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気はご存じでしょうか。
COPDは主にタバコの煙が原因で肺が悪くなる病気です。病気が進行すると、ちょっと歩いただけで息切れをしたり、咳や痰などの症状がでてきたりします。
息苦しさが悪化すると通院も困難になるので、在宅医療へ移行する患者さんもいます。
今回のコラムでは、COPDという病気とCOPDの患者さんが在宅医療を受けるメリットについて解説します。
COPDってどんな病気?
COPDではタバコの煙や大気汚染物質が原因で肺に炎症が起きるため、肺の細胞が壊れ、気管支という空気の通り道がせまくなります。
肺の細胞が壊れると、酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素を体外に出すことが難しくなります。
このため、息切れや息苦しさなどの症状がでてきます。
また、息切れ、咳・痰などの呼吸器症状だけではなく、栄養障害、筋力低下、心血管障害、糖尿病、不安・抑うつなど、全身に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。
COPDの症状
COPDの主な症状は息切れ、慢性的な咳・痰です。
COPDが軽症の場合は、坂道や階段を上る時など、体に負担がかかる時のみ息切れを感じます。
しかし、病状が進行すると平坦な道でも息が切れるようになり、重症になると静かに座っている時にも息苦しさを感じるようになります。
COPDが進行すると筋力が低下し、栄養障害によってやせてくることが多いです。
やせる原因は様々ですが、以下の理由が背景にあると考えられています。
①肺の機能が低下しているため、呼吸するだけでカロリーを消費してしまう
②息苦しさがあるためあまり動こうとしなくなり、活動量が低下して筋肉が萎縮する
③慢性炎症によるホルモンバランスの異常、息切れの影響で食事量が減少する
COPDを診断する方法
COPDの診断には、スパイロメトリーといわれる呼吸機能検査を行います。
どれだけ空気を吸い込めるか、どれだけ素早く空気を吐き出せるかを調べ、その数値が診断基準を下回るとCOPDと診断されます。
レントゲンやCTなどの画像検査を行い、COPDに特徴的な画像かどうか、他の肺の病気ではないか確認することも大切です。
COPDの治療
なによりも禁煙が重要です。禁煙することで呼吸機能の低下を抑え、死亡率を減少させる効果があります。
薬物療法の中心は吸入薬(気管支拡張薬)です。息苦しさを軽減し、歩行など運動機能の向上、または維持に有効です。
COPDはインフルエンザなどの感染症で急激に悪化することがあります。そのため、予防ができる感染症は、ワクチンで予防することが大切です。
インフルエンザワクチンはCOPDの死亡率を低下させることが明らかになっています。
COPDの患者さんが在宅医療に移行するメリット
COPDは病院で診断され、治療を始めることが多いです。通院が問題なくできる状態であれば、外来での治療を続けます。
しかし、症状が悪化して通院が困難になってきた時には、在宅医療を選択することもできます。
ここではCOPDの患者さんが在宅医療に移行するメリットを解説します。
在宅で診察を受けることにより通院の負担が減る
COPDが悪化すると、平らな道を歩くだけで息苦しくなります。この場合、病院に通う負担は非常に大きくなります。
在宅医療では通院が困難な患者さんに対して、医師や看護師が患者さんの自宅を定期的に訪問し、診察や看護、薬の処方を行います。
通院の負担がなくなることは、重症のCOPD患者さんにとって大きなメリットになります。
在宅で吸入指導をじっくり受けることができる
COPDの主な治療は吸入薬です。しかし、吸い方を間違えると薬の効果は発揮できません。
「吸入薬を使用するCOPDの患者さんのうち、誤った吸い方をしていた人は50%以上であった」という報告もあります。
正しく薬を吸えているか、実際に吸入している様子を医療関係者が確認することが大切です。
在宅医療であれば、訪問した際に普段の吸入の様子をしっかり確認することができます。
リハビリスタッフや介護士とも協力し、誰かが自宅を訪れた際に吸入薬を患者さんに吸ってもらい、吸い忘れを防ぐこともできます。
様々な医療関係者が訪問するので体調の変化に気づきやすい
COPDの患者さんは風邪や肺炎などの感染症で重症化しやすいです。
「ちょっと軽い風邪をひいただけだから受診しないで様子をみよう」と考えていたら、症状が悪化して重症化することもあります。そのため、体調が悪くなった時には早めに対処することが大切です。
在宅医療では医師、看護師、リハビリスタッフなどが定期的に自宅を訪問するので、ちょっとした体調の変化に気がつき、症状が悪化する前に対処ができます。
※契約した訪問サービスの内容によって、自宅を訪れる医療関係者の職種は異なります。
まとめ
COPDは在宅医療で対応できます。
病院へ通院することがつらくなってきたCOPDの患者さんは、在宅医療への移行を検討してもよいかもしれません。
今回は「息切れがつらいCOPD患者さんへ伝えたい、在宅医療のメリット」について、ご説明させていただきました。お近くの在宅医療対応の医療機関はコチラから検索可能です。
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