訪問看護を利用する際、主治医が作成する「訪問看護指示書」は欠かせない書類です。
しかし、転居や主治医の変更などの理由で医師が交代する場合、この指示書の扱いに疑問を感じる方も多いでしょう。
本記事では、訪問看護指示書の基本的な役割から、主治医変更時の対応方法まで詳しく解説します。


訪問看護指示書とは?その役割と作成の流れ

訪問看護指示書は、主治医が訪問看護ステーションに対して患者の病状やケア内容を指示する重要な書類です。
この書類に基づき、訪問看護師は適切なケアを提供します。

訪問看護指示書の役割

訪問看護指示書は、以下のような役割を果たします。

  1. 患者の状態の共有:
    患者の病状やケアの必要性を正確に伝え、訪問看護師が適切に対応できるようにします。
  2. 保険適用の要件:
    医療保険や介護保険を利用する際、訪問看護指示書は必須です。
    これがなければ、保険適用が認められない場合があります。
  3. ケア内容の明確化:
    指示書には、具体的なケアの内容や訪問頻度、特に注意すべき点が記載されます。
    これにより、看護の質が保たれます。

補足情報

訪問看護指示書は、作成日から最長6か月間有効ですが、患者の病状が変化した場合は指示内容を修正する必要があります。
また、指示書の有効期限が切れた場合も主治医に再交付を依頼する必要があります。


訪問看護指示書の作成の流れ

訪問看護指示書は、次の流れで作成されます。

  1. 1:患者または家族からの依頼
    訪問看護を希望する場合、主治医に相談します。
  2. 2:主治医による診察
    主治医が患者の状態を診察し、訪問看護の必要性を判断します。
  3. 3:指示書の作成
    必要に応じて、ケアの具体的な内容を記載した指示書が作成されます。

指示書は訪問看護ステーションに直接送付される場合もあり、スムーズな連携が重要です。


主治医変更時の訪問看護指示書の対応方法

療養中に主治医が変更となった場合、訪問看護指示書の再発行が必要となることがあります。
主治医が変わる理由としては患者の転居や医療機関の移転、あるいは主治医の退職などが挙げられます。

主治医変更時の訪問看護指示書の再交付

主治医が変更となる場合、次の手順で対応します。

  1. 1:新しい主治医の選定
    患者の現在の病状や治療方針に適した医師を選びます。
  2. 2:新しい指示書の発行依頼
    新たな主治医に、訪問看護指示書の再交付を依頼します。この際、前任の主治医からの情報を共有することが重要です。
  3. 3:訪問看護ステーションとの連携:
    新しい指示書が発行された後、訪問看護ステーションに指示書を提出します。

補足情報

訪問看護指示書は1か月に1回しか算定できないため変更時期に注意が必要です。
スムーズなケアを継続するためには、早めの対応が求められます。


主治医変更が訪問看護に及ぼす影響

主治医が変更になると、訪問看護の内容に次のような影響を及ぼす場合があります。

  • ケア内容の見直し:
    新しい主治医が患者の状況を把握するまでに時間がかかる場合があります。
  • 訪問スケジュールの調整:
    指示内容が変更されると、訪問頻度や時間が調整されることがあります。
  • 患者や家族の負担増加:
    主治医の変更手続きに伴い、患者や家族の負担が一時的に増加する可能性があります。

複数の主治医がいる場合の対応

患者が複数の診療科を受診している場合、どの医師が訪問看護指示書を作成するか迷うことがあります。
このような場合、主治医間の連携が重要です。

主治医間の連携と指示書作成のポイント

  • 主たる傷病の診療科を優先:
    訪問看護指示書は主たる傷病を診療している医師が作成するのが基本です。
  • 診療科間の情報共有:
    必要に応じて他の診療科の医師と情報を共有し、指示内容に反映させます。
  • 患者の意向を尊重:
    訪問看護の内容について、患者や家族の意向も考慮します。

補足情報

指示書作成に際しては患者が受診しているすべての診療科で情報共有を行い、包括的なケアが提供できるよう配慮する必要があります。


訪問看護指示書の修正や再交付が必要なケース

訪問看護指示書は、患者の病状や療養環境が変化した際に修正や再交付が必要です。

修正や再交付が必要な例

  1. 1:病状の変化
    病状が悪化したり、回復したりした場合。
  2. 2:療養環境の変更
    施設から在宅へ移行する場合や、その逆の場合。
  3. 3:主治医の退職や転居
    主治医が変更された際に、再交付が必要となることがあります。

訪問看護指示書は、適切なケアを提供するために欠かせない書類です。
主治医の変更時や病状の変化時には、早めの対応と適切な情報共有が重要となりますので、スムーズなケアを継続するために訪問看護ステーションや医療機関と密に連携をとりましょう。

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