難病と診断を受けた方とご家族は、治療法が確立されていない不安やいつどのように症状が進行していくのかわからない心配を抱えていることでしょう。
また、体調の波や予測できない症状の変化に、日々向き合っているのではないでしょうか。

訪問看護ではこのような難病特有の不安に寄り添いながら専門的なケアを提供します。
看護師が定期的にご自宅へ伺い、その時々の体調に合わせたケアを行うとともに介護をされるご家族の心身の負担軽減もサポートします。

この記事では、難病の患者さんが訪問看護の利用開始までの具体的な手順から費用の目安、信頼できる事業所の選び方まで、実践的な情報をご紹介します。
ぜひ最後まで読んで、療養生活の中で感じる様々な不安の解消の参考にしてください。

難病患者が訪問看護を利用するまでの流れ

病気の進行や症状の変化に不安を感じながらの療養生活では、専門家による継続的なサポートが心強い味方となります。ここでは、訪問看護の利用開始までの流れをご説明します。

  • 相談・情報収集
    まずは不安に感じていることや困っていることを、以下のいずれかの窓口に相談してみましょう。

    ・かかりつけ医や主治医:症状の経過や今後の見通しを含めた相談 
    ・ケアマネジャー:介護保険サービスとの組み合わせについて 
    ・お近くの訪問看護ステーション:具体的なケア内容の相談 
    ・管轄の保健所:利用可能な制度の確認 
    ・各都道府県の難病相談支援センター:難病に特化した相談や情報提供
  • 訪問看護ステーションの選定
    複数の事業所を比較検討し、サービス内容や料金について確認しておくと安心です
  • 訪問看護指示書の発行
    訪問看護の利用には、訪問看護指示書が必須です。
    かかりつけ医や主治医に依頼医療処置の内容や訪問頻度などが記載されます。
  • 契約の締結
    契約では以下の点を特に確認しましょう。
    ・症状の変化に応じたケア内容の調整
    ・緊急時の具体的な対応方法
    ・ご家族へのサポート体制 連絡方法や担当者について
  • サービス利用の開始
    ・初回訪問で現在の状態を丁寧に確認
    ・ご本人とご家族の要望をしっかり伝える
    ・症状の変化に備えた対応方法も確認

体調や症状は日々変化する可能性があります。
サービス開始後も、不安なことや困ったことがあれば、担当の看護師に遠慮なくご相談ください。

訪問回数や時間の調整などは柔軟に対応することが可能です。
訪問看護に関する変更手続きに関しては、こちらの記事をご覧ください。

【悩み解決】訪問看護を変更したい方のための完全ガイド|気軽に相談して大丈夫! – 在宅医療どっとコム

難病患者の訪問看護に関する費用と保険制度

難病の療養では、いつまで治療が続くのか、症状の進行に伴いどのようなケアが必要になるのか、見通しを立てにくい状況が続きます。
ここでは、長期的な療養生活を支える保険制度について解説します。

保険制度の違いと特徴

訪問看護は医療保険か介護保険を利用できます。
どちらの保険が適用になるかは以下を参考にしてください。

  • 医療保険の適用(厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)に該当する方に該当する難病の方、65歳未満の方)
    ・原則週3回まで利用できる
    ・自己負担は医療費の1〜3割(年齢・所得により異なる)
    別表7に該当する方は、要介護度に応じた支給限度額の範囲内でサービスの利用や1日に複数回、複数の事業所の利用も可能です。
  • 介護保険の適用(65歳以上で上記以外の方)
    ・要介護度に応じた支給限度額の範囲内でサービス利用
    ・自己負担は1割〜3割(所得により異なる)

※別表7(厚生労働大臣が定める疾病等)について詳しくはこちらの記事を参照してください。

訪問看護を医療保険で利用するには?|対象の疾患や費用を詳しく解説! – 在宅医療どっとコム

難病医療費助成制度について

医療保険での訪問看護の利用で指定難病に該当する方は、「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)に基づく医療費助成制度を利用できます。
この制度を利用すると、以下のメリットがあります。

  • 医療費の自己負担に上限額が設定される
  • 訪問看護を含む医療費全般が対象
  • 月ごとの自己負担を予測しやすい

ただし、以下の点にご注意ください。

  • 指定難病と関係のない治療は助成対象外 
  • 難病指定医療機関以外での治療は助成対象外

症状の進行に伴い、必要なケアの内容や回数が変化することは少なくありません。
不安な点は、訪問看護ステーションやケアマネジャーに相談してみましょう。
経済的な負担を抑えながら、必要なケアを受けられる方法を一緒に考えてくれます。

難病患者が訪問看護ステーションを選ぶポイント

難病の療養では、症状の進行や体調の波に柔軟に対応できる訪問看護ステーションを選ぶことが大切です。
ここでは、心強いパートナーとなる事業所を選ぶためのポイントを3つ紹介します。

①緊急時の対応体制

体調の急な変化や予期せぬ症状の出現に、迅速に対応できる体制が整っているかを確認しましょう。
緊急時の対応について確認するポイントは、以下の通りです。

  • 24時間の電話対応体制
  • 夜間や休日の緊急訪問の可否
  • 主治医や地域の医療機関との連携体制

深夜であっても不安なときに相談できる環境があることで、ご本人もご家族も安心して療養生活を送ることができます。

②難病への理解と対応力

難病の特性を理解し、適切なケアを提供できる事業所かどうかを、以下の点から確認します。

  • 難病指定医療機関の認定を受けているか同じ疾患の方への支援実績
  • 看護スタッフの経験と専門性
  • 医療処置の対応範囲
  • リハビリスタッフの在籍状況

特に、病状の変化を予測した対応ができるか、ご家族の精神的なサポートも含めた支援が可能かどうかは重要なポイントです。
希少な難病では、経験がないからと対応を断られることもあるかもしれません。
そんな中でも、「わからないながらも一緒に考えていきましょう」といった姿勢をもった事業所を根気よく選ぶことが大切です。

③地域に根差したケア

自宅から近い訪問看護ステーションを選ぶと、以下のメリットがあります。

  • 緊急時の迅速な対応
  • 地域の医療資源に関する知識
  • 他のサービスとの連携のしやすさ
  • 訪問にかかる交通費の抑制(交通費が別途必要な事業所の場合)

事業所の特徴は、実際に相談をしてみないと分からないこともありますので、ぜひ直接相談してみましょう。
些細な不安や疑問でも、遠慮なく相談してください。
その際、どのように対応してくれるかも選択の重要な判断材料となります。

まとめ:安心して訪問看護を始めるために

原因が特定できない、治療法が確立されていない、症状の進行を予測することが難しい―。
難病と向き合う中で感じるこうした不安に、訪問看護は寄り添い続けます。

専門的な知識を持つ看護師が定期的に訪問し、その時々の体調に合わせたケアを提供することで、ご自宅での療養生活を支えます。
また、介護をされるご家族の心身の負担軽減にも努めます。
まずはお気軽に相談してみてください。
在宅医療どっとコムでは、関東圏(東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県)の訪問看護ステーションを検索できます。お近くの事業所を探してみましょう。


X紹介文

【難病の利用者さんが訪問看護を利用するには?】

📝訪問看護を利用するには何をしたらいい?

💴費用と保険適用はどうなるの?

🗳️訪問看護ステーションの選び方は?

訪問看護は、自宅での療養生活の不安を解消し、安心感をより高めてくれます!

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