「医療保険で訪問看護を使えるのはどんな病気?」
「訪問看護を医療保険で使ったときの費用はどのくらい?」

このような疑問や不安をお持ちの方はいませんか?

訪問看護は、自宅や施設で生活する患者さんをサポートする在宅医療サービスです。利用には介護保険や医療保険が適用されますが、医療保険の利用には条件があります。

この記事では、訪問看護の利用に医療保険が適用となる疾患や利用料金、訪問の頻度などを詳しくお伝えします。

訪問看護が医療保険で介入できる対象疾患

医療保険による訪問看護は、小児から高齢者まで年齢に関わらず利用できますが、要介護・要支援認定を受けた方は原則として介護保険が優先されます。

ただし、以下の場合は医療保険で訪問看護が利用できます。

  1. 厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)に該当する方
  2. 病状悪化により特別訪問看護指示期間にある方
  3. 精神疾患をお持ちの方

別表7で定められているのは以下の20の疾患です。

  1. 末期の悪性腫瘍
  2. 多発性硬化症
  3. 重症筋無力症
  4. スモン
  5. 筋委縮性側索硬化症
  6. 脊髄小脳変性症
  7. ハンチントン病
  8. 進行性筋ジストロフィー症
  9. パーキンソン病疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病:ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る)
  10. 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
  11. プリオン病
  12. 亜急性硬化性全脳炎
  13. ライソゾーム病
  14. 副腎白質ジストロフィー
  15. 脊髄性筋萎縮症
  16. 球脊髄性筋萎縮症
  17. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  18. 後天性免疫不全症候群
  19. 頚髄損傷
  20. 人工呼吸器を使用している状態(夜間無呼吸のマスク換気は除く)

訪問看護が医療保険で対応することが多い疾患

実際に医療保険で訪問看護を利用している患者さんに多い疾患は、以下のとおりです。

  1. 神経系の疾患(パーキンソン病とアルツハイマー病をのぞく)
  2. パーキンソン病
  3. 精神および行動の障害
  4. 悪性新生物(がん)

神経系の疾患とは、筋委縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィー、重症筋無力症など、脳や脊髄、神経、筋肉に関する病気です。

これらの患者さんは、医療保険の適用となる患者さんは、在宅酸素療法や膀胱留置カテーテルの管理、痰の吸引など、医療的なケアが必要な方が多い傾向にあります。

訪問看護が医療保険で入る場合の費用や利用回数

訪問看護を医療保険で利用する際には、費用や利用回数の制限も気になるところです。
訪問看護の費用や訪問回数・訪問時間の決まりを知っておきましょう。

1回当たりの費用

医療保険での訪問看護の費用は、自己負担割合によって異なります。
ここでは、1割負担の方の費用を例として挙げます。

【基本料金(1割負担の場合)】

訪問看護の利用日1回当たりの費用(週3日までの場合)
月の初日1330円
月の2日目以降860円~960円
※看護師の訪問の場合です。リハビリスタッフの場合は異なります。

上記の基本料金に加え、24時間対応など利用するサービスによる加算料金や、交通費がかかります。
気になる場合は、訪問看護ステーションに確認しておきましょう。

利用できる回数

利用できる回数や時間は、以下のとおり患者さんの状態により異なります。

患者さんに該当するもの1日に利用できる回数1週間に利用できる回数
通常1日1回週3日まで
別表7の疾病をお持ちの場合医療保険適用で別表8(※)に該当する場合特別訪問看護指示期間1日2回または3回週4日以上でも可能
※別表8とは:「厚生労働大臣が定める状態等」のこと。気管カニューレの使用や人工呼吸器、在宅酸素など特別な管理が必要な状態を示した一覧で、13の状態が列挙されています。

利用できる時間

訪問看護の1回の利用時間は30〜90分です。

ただし、厚生労働大臣が定める「長時間の訪問が必要な方」は、90分を超える訪問看護の利用が可能です。

その場合は「長時間訪問看護」が加算され、1割負担の方で520円かかります。

「長時間の訪問が必要な方」とは、以下のいずれかの条件を満たす場合です。

  • 15歳未満の超重症児・準超重症児
  • 厚生労働大臣が定める状態等(人工呼吸器や在宅酸素を使用している方など)
  • 急に具合が悪くなったり、症状が急激に悪化したときなど(特別訪問看護指示期間中)  

定められた回数や時間を超えて訪問看護を利用した場合は、超えた分には健康保険が適用されず、全額自己負担となります。

まとめ|対象疾患の方は医療保険による訪問看護のご利用を

厚生労働大臣が定める疾患や状態の方は、医療的ケアの必要性が高いため、医療保険での訪問看護の重要性が高まります。適切なサービスを受けることで、自宅での生活の質を向上させることができます。

もし、医療保険の適用になるのか分からない場合は、主治医やケアマネジャーに相談してみてください。

この記事が、医療保険で訪問看護を利用したい方のお役に立てたら幸いです。

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