「多発性硬化症患者さんの訪問診療の内容を知りたい」
「病気を抱えながらの生活が不安」
多発性硬化症は難病のひとつで、現れる症状や病気の進行も患者さんにより異なります。

そのため、自宅での生活に不安を抱える患者さんやご家族も少なくありません。
訪問診療は、多発性硬化症患者さんとご家族の自宅での生活をサポートする心強い存在です。

この記事では、多発性硬化症患者さんへの訪問診療の内容を具体的に解説します。
患者さんやご家族をサポートするうえで訪問診療が大切にしていることも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

多発性硬化症患者さんへの訪問診療のサポート内容

多発性硬化症は脳や脊髄、視神経などの中枢神経におこる病気です。
中枢神経を包む髄鞘(ずいしょう)に炎症が起こり、神経がむき出しになってしまうことにより、神経を通して伝わる信号が障害されます。

現れる症状は障害される神経により異なりますが、以下のような症状がみられます。

  • 視力障碍
  • 運動障害
  • 感覚障害
  • 認知機能障害
  • 排尿障害

これらの障害を抱えながらでも自宅で日常生活を送ることは可能です。

多発性硬化症患者さんが安心して生活するために、訪問診療で行っているサポートは次のとおりです。

  • 日々の体調管理
  • 病院との連携
  • 多職種アプローチ

それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

日々の体調管理

自宅で療養される多発性硬化症患者さんは、症状が落ち着いていると主治医から判断されている方が大半でしょう。
しかし、多発性硬化症は病状の進行や再発がみられる病気であるため、病状の変化における早期発見が重要です。

訪問診療では、患者さんの体調の変化を中心に気になることや困ったことなどの相談に乗りつつ、病状の悪化の早期発見に努めています。気になる症状があるときには、早めに医師や看護師に相談してください。

病院との連携

訪問診療が導入されても、患者さんの希望や必要に応じて病院の受診を併用している方もいます。
多発性硬化症は再発と寛解をくり返したり、少しずつ症状が進行したりする病気であるため、定期的な検査とともに症状の変化によって適切な治療を行うことが大切です。

多発性硬化症に対する専門的な治療や検査は訪問診療で対応が難しいこともあります。

そのため訪問診療を導入しても病院との連携は続けており、患者さんに症状の変化があったときに迅速に対応できるように体制を整えています。病気の進行により通院が難しくなったときには訪問診療で可能な治療を行いますが、病院との連携は密に行っています。

多職種アプローチ

多発性硬化症患者さんのサポートには、訪問診療のほかに訪問看護や訪問介護、薬局などの多職種が関わっています。

たとえば、多発性硬化症の治療におけるステロイド治療。ステロイドの使用が長期になると、糖尿病や感染症に罹患しやすいなどの副作用が生じることがあります。
そのような副作用のリスクをできるだけ軽減するために、患者さんの身近な存在となる訪問看護を導入し、体調の変化の早期発見に努めています。

また専門的な薬を使用することもあり、薬の飲み方や管理をサポートする訪問薬剤を導入することもあります。

多発性硬化症患者さんへのサポートで訪問診療が大切にしていること

多発性硬化症は、症状や進行が患者さんにより異なるため、個別性を考えたサポートが必要です。多発性硬化症を抱える患者さんへ、訪問診療が大切にしていることを具体的にお伝えします。

本人やご家族の負担を減らすサポート

多発性硬化症患者さんが自宅で穏やかな生活を送るために、訪問診療はできるだけ患者さんやご家族の負担を減らすサポートを心がけています。

たとえば「ちょっと体調が悪いな」と病院を受診するかどうか迷うとき。

多発性硬化症の患者さんは感染症がきっかけで病状が再発したり悪化したりすることがあります。人の出入りが多い病院への受診は、心身の負担になるとともに感染症に罹患するリスクにつながることも。

訪問診療は、ちょっとした体調不良であっても、相談に乗ったりご自宅にうかがったりすることができます。夜間や休日も患者さんの対応ができる体制を整えているクリニックが多いため安心してください。
専門的な治療は病院の主治医が主軸となりますが、風邪や胃腸炎など日常的にかかりうる病気は訪問診療で対応できます。

患者さんの不安やストレスの軽減

多発性硬化症は30代前後で発症することが多いとされており、若い頃に発症し年齢を重ねてから再発することもあります。長い期間、病気を抱えながらの生活が余儀なくされ、ご本人やご家族の悲嘆は大きいものです。体調が落ち着いていても「いつ病気が悪化するか」という恐怖を抱えている方もいるでしょう。

多発性硬化症は、精神的な負担が症状を悪化することも知られています。不安やストレスの解消は症状を悪化させないための方法でもあるのです。訪問診療では患者さんやご家族の悲嘆に寄り添いつつ、穏やかな生活を送れるようにサポートします。

不安なことや希望があれば聞かせてください。不安が解消できるような方法や選択肢を提案します。

まとめ

多発性硬化症は、症状が多岐にわたり、また病気の進行も患者さんごとに異なります。そのため、一人ひとりの状態や生活環境にに合わせた、きめ細やかなサポートが大切です。

訪問診療では、体調面から患者さんのサポートを行います。患者さんが抱えている負担をできる限り減らし、自宅で理想の生活が送れるように方法や対策を一緒に考えます。ぜひ希望や想いを教えてください。

この記事が、訪問診療の導入を検討している多発性硬化症患者さんやご家族の参考になれば幸いです。

多発性硬化症患者さんの自宅での生活をより近くでサポートする「訪問看護」の内容も紹介しています。ぜひご覧ください。

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