「訪問看護ではどんなリハビリを受けられるの?」
「体調もみてほしいし、寝たきりにならないようにリハビリも受けたい」
「退院後もリハビリを続けたい」
訪問看護の利用を検討している方には、こんなお悩みをもっている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、訪問看護でのリハビリについて、メニューや料金、他のサービスとの違いなどを詳しく解説します。ぜひ最後まで読んで、安心して自宅で療養するために参考にしてください。
目次
訪問看護のリハビリとは?
訪問看護でもリハビリを受けられる
訪問看護では、看護師による医療的ケアだけでなく、リハビリも受けられます。
訪問看護のリハビリは、訪問看護ステーションから提供されるサービスのひとつです。看護師だけでなく、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ専門職からも受けられます。
訪問看護でリハビリを受けるには、主治医の指示が必要です。
リハビリ専門職が行う訪問看護でのリハビリは、看護師の行う在宅療養支援や日常生活支援の一部として提供されます。つまり、主に看護業務の一環としてリハビリを行う訪問の際に、これらの専門職が看護師に代わって訪問することができるという位置づけです。
訪問看護のリハビリを受けるメリット3つ
①自宅でリハビリが受けられる
訪問看護を利用すれば、ご自宅で専門的なリハビリを受けられます。
日常生活に即したリハビリを行えることが大きなメリットです。
また、通う必要がないため、通院が難しい方や体調が優れない方も、無理なくリハビリを継続できます。
②看護師の体調管理も受けられる
リハビリだけでなく、看護師による健康管理や24時間体制の緊急対応などももちろん受けられます。体調の変化にいち早く気づき、適切なケアを受けられるので安心です。
③家族の負担が軽減できる
自宅でリハビリを受けることで、日常的に介護やケアを行っている家族の負担を軽減できます。
また、例えば食事の形態など、生活の中での専門家の指導を受けることもできます。
訪問看護のリハビリで受けられるメニュー
それぞれの職種により以下のようなリハビリを受けられます。
リハビリメニュー例 | 特徴 | |
---|---|---|
理学療法士 (運動の機能) | 歩行訓練 | 歩行能力の向上を目指したリハビリを行います。歩行補助具の選定や、安全な歩行方法の指導なども行います。 |
関節可動域訓練 | 関節の動きを改善し、拘縮を予防するための運動を指導します。痛みに配慮しながら、関節の柔軟性を維持・向上させていきます。 | |
その他 ・筋力トレーニング ・ストレッチ ・温熱療法など | ||
作業療法士 (作業に関わる機能) | 日常生活動作訓練 | 日常生活動作(ADL)の改善を目的としたリハビリを行います。食事、更衣、排泄、入浴など、具体的な動作の指導を行います。 |
福祉用具の選定と使用方法の指導 | 生活の自立度を高めるための福祉用具の選定と、その使用方法の指導も作業療法士の役割です。安全で適切な使用方法を習得できるようサポートします。 | |
言語聴覚士 (言語・音声・嚥下に関わる機能) | 嚥下障害に対する訓練 | 言語聴覚士は、嚥下機能の評価を行い、誤嚥を予防するための食事形態の工夫や、嚥下体操の指導を行います。安全に食事が摂れるよう支援します。 |
言語障害に対する訓練 | コミュニケーション能力の改善を目指し、発声や発語の練習、会話の練習などを行います。言語機能の回復を図ることで、社会参加の促進にもつなげます。 | |
看護師 | ・運動機能の改善及び維持 ・日常生活動作の訓練 (歩行、食事、排泄など)の指導 | 日常生活動作の維持・向上を目的としたリハビリを提供します。 |
訪問看護のリハビリを利用できる回数と料金
週何回受けられる?
訪問看護が介護保険によるものか医療保険によるものかと、看護師による訪問看護かリハビリ専門職による訪問看護かで、受けられる回数が違います。
なお、リハビリ専門職による訪問看護を主として利用する場合も、原則月1回〜3ヵ月に1回(事業所による)は看護師の訪問による健康状態の確認が必要です。
介護保険の場合の回数制限
介護保険を利用する場合、看護師による訪問看護は回数制限がありません(介護保険の支給限度額内で提供)。
理学療法士、作業療法士または言語聴覚士による訪問看護は、1回当たり20分以上で、週6回まで受けられます。
医療保険の場合の回数制限
医療保険を利用する場合、いずれの職種も原則として週3回まで訪問が可能です。
ただし看護師による訪問看護は、主治医が必要と判断した場合や疾病・状態により、それ以上の頻度で訪問を受けられる場合もあります。
料金は?
介護保険の場合の料金
介護保険を利用する場合、1回の訪問看護で利用者負担は所得に応じて1割〜3割となります。
例えば要介護の方が40分〜60分の訪問看護を受ける場合、看護師では1回あたり約800円〜2,600円程度、リハビリ専門職では1回あたり約600円〜2,000円程度です(緊急時の対応などの加算が加わります)。
医療保険の場合の料金
医療保険を利用する場合、1回の訪問看護で利用者負担は1割〜3割です。こちらも所得に応じて負担割合が決まりますので、事前に確認しておきましょう。
医療保険では訪問する職種による料金の違いはありません。
週に何回利用するかにより料金が変わってきます。
例えば60分の訪問看護を週1回利用した場合、1カ月につき約4,000円~約12,000円です(緊急時の対応などの加算が加わります)。
訪問看護のリハビリと他のサービスの違い
訪問リハビリテーション(訪問リハビリ)との違い
訪問看護ステーションからの訪問看護のリハビリと、医療機関からの訪問リハビリテーションは異なるサービスです。
サービス提供者の違い
訪問リハビリは病院やクリニックなどの医療機関によるリハビリで、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によって提供されます。
リハビリ内容の違い
訪問看護のリハビリは、療養生活全般を支援することを目的としているため、リハビリ以外の看護ケアも提供されます。
訪問リハビリは、専門的なリハビリテーションに特化したサービスといえます。
利用条件の違い
訪問看護は、医療保険と介護保険のどちらでも利用可能です。一方、訪問リハビリは介護保険での利用となります。
その他の在宅リハビリサービス
その他の在宅療養の方向けのリハビリには以下のサービスがあります。
いずれも介護保険によるサービスです。
通所リハビリ(デイケア)
介護老人保健施設や病院、診療所に通ってリハビリを受けるサービスです。送迎付きで、食事や入浴のサービスも提供されます。あくまでも方針はリハビリテーションを通して身体機能の維持や回復、認知機能の改善を図ることです。
昼食や入浴サービスのない、短時間リハビリサービス(短時間デイケア)もあります。
通所介護でのリハビリ(デイサービス)
デイサービスに通いながら、軽度のリハビリを受けられます。社会参加や家族のレスパイト(一時的な休息)を目的としています。レクリエーションや交流の機会も得られるのが特徴です。
地域によってはサービスの提供状況が違います。訪問看護ステーションにリハビリ専門職がいない、訪問リハビリや通所リハビリがないなど、さまざまな地域の実情がありますので、リハビリを希望する際は、ケアマネージャーや地域包括支援センター、病院の地域連携室などに相談しましょう。
まとめ:訪問看護のリハビリを上手に活用するためのポイント
- 訪問看護では、看護ケアとリハビリの両方を受けられる
- 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、専門職によるリハビリが受けられる
- 医療保険と介護保険のどちらでも利用可能
- 訪問リハビリや通所リハビリなど、他のサービスとの違いを理解しておく
- 自分に合ったサービスを選択し、在宅での療養生活を送れるよう工夫する
在宅でのリハビリは、状態に合わせたサービスを選ぶことが大切です。
訪問看護のリハビリは、看護ケアとの連携が取れる点が大きな強みです。ぜひ、訪問看護を上手に活用して、在宅での充実した療養生活を送っていただければと思います。
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