「病院に行かなくても自宅で点滴したい」
「訪問看護で点滴を受ける方法は?」
「毎日点滴にきてくれるの?」

在宅で点滴を受けることは、病院へ行くことが難しい方にとって非常に便利な選択肢です。
訪問看護サービスを利用することで、自宅で継続的な点滴治療を受けることができます。
この記事では、訪問看護での自宅での点滴治療についてわかりやすくご紹介します。

在宅での点滴を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

訪問看護での点滴とは?どんな時に在宅で点滴治療を受けられる?

主治医の指示により、訪問看護を利用してご自宅で点滴治療を受けることができます。
在宅では、基本的には服薬での治療を行うことが多いですが、体調の変化や病状に応じて点滴治療が必要になることもあります。
在宅での点滴治療は、主に以下のような場合に実施します。

  • 肺炎や膀胱炎などの感染症等で治療が有効と判断されたとき
  • 脱水により一時的に補液が必要なとき
  • 継続的な高カロリー輸液が必要なとき

訪問看護で点滴治療を受けるには

点滴指示書とは?

訪問看護師は、医師の指示のもとで点滴治療を行います。

まだ訪問看護を受けていない方は、まず主治医の訪問看護指示書が必要です。

訪問看護で週に3回以上の点滴を受けるためには、在宅患者点滴指示書が必要になります。この在宅患者点滴指示書は7日毎に指示を受ける必要があります。

指示書に基づき、医療機関から点滴薬剤と点滴に必要な衛生材料等が医療機関か薬局から提供されます。

毎日点滴を受けられるの?

週4回以上の点滴が必要な場合は、併せて特別訪問看護指示書を受けることで、毎日の点滴は可能です。

訪問看護で受ける点滴の費用

訪問看護を受ける際には、医療保険か介護保険制度を利用します。点滴を受ける場合、どちらの制度を利用するかは、個々のケースによりますので、主治医や訪問看護師、ケアマネージャーに相談しましょう。

例として、末期がんで、医療保険を利用し毎日点滴を受けた場合の1ヶ月の訪問看護の利用料は、様々な加算を合わせ、33,000円でした。(1割負担) 
この場合、訪問看護利用料も高額医療費支給制度の対象となります。

介護保険を利用した週に3回の訪問看護の利用料の例は、14,000円でした。(1割負担)
※これに加えて、医師の指示書や薬剤の料金が必要になります。
※どちらもあくまで例であり、お住まいの地域や、事業所によりその他の加算や交通費等必要になることがあります。

訪問看護で実施する点滴の方法

在宅で行う点滴には、以下の3種類の方法があります。

  • 静脈注射点滴
    (腕の静脈に針をさして点滴を行う方法。主に感染症の治療など薬剤を点滴する。)
  • 中心静脈栄養
    (体外式カテーテルや皮下埋め込み式カテーテル・CVポート等を経由し、高カロリーな点滴を持続的に行う方法。)
  • 皮下点滴
    (腹部や大腿の皮下に針をさして点滴を行う。抹消静脈点滴が難しい場合や、緩徐に補液する場合に行う。)

いずれも針をさすのは看護師が行います。

訪問時間内に点滴が終了しない場合などは、ご家族に指導し、針を抜く行為や、点滴バッグを交換してもらうこともあります。
また、点滴には一定のリスクが伴う場合もあります。例えば、静脈やcvポートへの感染リスクや、途中で漏れたり抜いてしまったりすることもあれば、点滴が適切に行われない場合の合併症のリスクなどが挙げられます。
安心して、適切な点滴治療を受けられるよう、予防策や処置について、訪問看護師がわかりやすく指導します。

点滴をしない方が良い場合もある

在宅では、以下のように、点滴しない方がよいと考えられる場合もあります。

  • 内服で治療できる場合
  • 安全に点滴を行うことが難しい場合
  • 点滴をすることで、かえって心身に負担をかけることが考えられる場合

特に終末期では、段々と食べられなくなって点滴をしても、お体の負担となることが多く見られます。
一時的に水分を補給する場合は、静脈点滴か皮下点滴の方法をとることになります。

ご家族が何か少しでもしてあげたいと考え点滴を希望されても、利用者さんご本人が望まなかったり、点滴で補おうとした水分をお体が処理しきれない状態であったりします。
そういった状態では、過多となった水分で体がむくんだり、痰の量が増えて呼吸がしにくくなるのです。

ただみているだけでは何もしてあげないような気後れがするとよくご家族は仰いますが、点滴をしないことがご本人にとって最良なこともあるのです。少しでも穏やかに過ごしていただくために、そばで手をさするなど点滴以外の方法もあります。

このように、在宅医療においては、点滴が必要かどうか、どのくらいの量が良いか、医師や看護師とよく話し合い指示を受けましょう。

まとめ

今回は、訪問看護を利用しご自宅で点滴治療を受ける方法についてご紹介しました。
訪問看護ではそれぞれの利用者さんのお宅にうかがい、生活の中でのお困り事に寄り添った支援を行います。
専門的知識をもって、利用者さんの生活の中で出来る方法を、ご本人やご家族と一緒に考えていきます。
安心してご自宅で過ごせるよう、利用できるサービスを確認しましょう。

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