自分らしく過ごせる自宅でできる限り療養生活を続けたいとお考えではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが、在宅医療サービスの活用です。
在宅医療サービスでは、さまざまな専門職による多様なサービスを受けることができます。
サービスを上手に活用することで、患者さんもご家族も安心して自宅で過ごすことが可能です。
この記事では在宅医療のサービスの種類と具体的な内容を解説します。在宅医療の導入を検討中の方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
在宅医療サービス6種類とサービスの具体的な内容
在宅医療では、いろいろな専門職が患者さんやご家族の療養生活をサポートします。どのようなサービスが受けられるのか、具体的な内容を見ていきましょう。
①訪問診療・往診:かかりつけ医による日頃の治療や健康管理
医師は、医療関係者に指示を出すなど、在宅医療において中心的な役割を担います。定期的な訪問診療と緊急時の往診で、自宅であっても一通りの医療を受けることができます。
利用できる人:
・通院が難しく、主治医が在宅医療が可能と判断した人
・がんや脳卒中、難病など重い病気の人
・寝たきりになった人 など
具体的なサービス内容:
- 診察、お薬の処方
- 医療処置(点滴、経管栄養、酸素療法、人工呼吸器の管理)
- 床ずれの処置
- 認知症の方のケア
- 入院が必要になった場合の調整 など
※検査が必要になったり容体が急変したときなどは、必要に応じて専門の病院に通院(入院)できます。
メリット:通院・入院の負担軽減、自宅での生活継続、家族との時間が保てる
デメリット:自宅でできる治療の限界、緊急時対応の遅れ
②訪問看護:看護師による、ご家族のサポートも含めた生活全般のケア
看護師は在宅医療において、患者さんやご家族を支える要としての役割を担います。
利用できる人:
自宅で療養生活を送る上で看護師のサポートが必要で、主治医が訪問看護を必要と判断した人。
具体的なサービス内容:
- 健康状態の評価
- 療養上のお世話(食事、清潔ケア、口腔ケア、床ずれのケアなど)
- 医療処置(たんの吸引、ストーマケア、緩和ケアなど)
- 医療機器の管理(在宅酸素、人工呼吸器、膀胱カテーテルなど)
- 家族へのサポート
③訪問リハビリ:専門職による機能維持・回復と日常生活の自立支援
できる限り自宅で生活できるようにリハビリを行います。
理学療法士によるリハビリ
利用できる人:
ケガや病気などが原因で筋力が低下して歩きにくくなったり、日常生活に不安がある人(主治医の判断が必要)
具体的なサービス内容:
- 歩行や起き上がりなどの機能訓練
- 住宅改修・福祉用具のアドバイス など
作業療法士によるリハビリ
利用できる人:
病気のため生活に支障があり活動に不安がある、自助具※や自宅を整備する必要がある、できる動作を増やして介護負担を減らしたい人(主治医の判断が必要)
※生活をより便利に、より楽にできるように工夫された道具
具体的なサービス内容:
- トイレや入浴などの生活動作の改善や介助方法の指導
- 自助具の紹介、自助具を使用した動作の練習 など
言語聴覚士によるリハビリ
利用できる人:
失語症や発話障害、摂食嚥下障害のある人(主治医の判断が必要)
具体的なサービス内容:
- 言葉(聞く、話す、読む、書く)や食べたり飲んだりする練習
- コミュニケーション方法や飲み込みやすい食事の固さ・とろみの量についてのアドバイス など
④訪問栄養食事指導:管理栄養士による食事改善の提案
管理栄養士が病状や栄養状態に合わせた食事改善の提案を行います。
具体的なサービス内容:
- 病状や生活に合わせた食事改善の提案、栄養指導
例)糖尿病や腎臓病といった食事制限のある患者さんへの対応 - 摂食・嚥下障害に対する食事指導
例)むせ対策としてとろみ剤の使い方や飲み込みやすい食品の選択、調理の工夫 - 栄養補助食品や介護食品の提案 など
⑤訪問薬剤管理・居宅療養管理指導:薬剤師による薬の管理や指導
利用できる人:
服薬治療のサポートが必要であるが、通院ができず主治医が必要と判断した人
具体的なサービス内容:
- 薬や薬の飲み方の説明
- 飲み合わせの管理
- 薬の飲みにくさ・使いにくさへの対応
例)むせ対策で粉薬からカプセル剤への変更 - 薬の飲み忘れ・保管が難しい場合のサポート
例)一包化やお薬カレンダーの活用
⑥訪問歯科診療:歯科医師と歯科衛生士による治療や口腔ケア
口の中を清潔に保つことで、食べ物を噛み飲み込む力の維持、誤嚥性肺炎や認知症の予防につながります。
具体的なサービス内容:
- 歯科医による歯の治療、義歯や入れ歯の調整
- 歯科衛生士による歯石の除去や正しい手入れ方法の指導 など
在宅医療で費用負担を抑えるために活用できる公的制度
在宅医療は、通院と比べて費用が高額になりやすい傾向にあります。医療費のほかに介護費用がかかってくると、さらに経済的な負担は重くなってしまいます。
以下のような公的制度を活用し、費用の負担を抑えましょう。
- 高額療養費制度
- 高額介護サービス費
- 高額介護合算療養費制度
- 自立支援医療制度
- 障害者手帳
- 医療費控除 など
在宅医療サービスを導入するための相談先
かかりつけの医療機関や、介護保険によるサービスを利用中であればケアマネジャーに相談しましょう。
事前に訪問診療クリニックや訪問看護ステーションなどを調べておくと、相談がスムーズに進みます。当サイトで地域の事業所を検索してみてください。
まとめ
在宅医療サービスは、通院が難しい方でも自宅で医療を受けられるサービスです。
在宅医療サービスを上手に活用して、患者さんやご家族らしく、安心できる時間を自宅で過ごしましょう。
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