在宅療養中の方の通院が難しくなった場合、在宅医療への移行を検討することがあります。
しかし、どの診療科の医師に診てもらえばよいのか疑問に思う方も多いでしょう。
今回は現役看護師の観点から在宅医療における医師の選び方について解説します。ぜひ最後まで読んで、参考にしてください。
目次
在宅医療を受けられる対象者
在宅医療は主に以下の方が対象となります。
- 通院が困難な方
- 退院後も自宅での療養が必要な方
- 医療的管理が必要な方(カテーテル管理、在宅酸素など)
- 自宅で看取りケアを希望する方
在宅医療では「訪問診療」と「往診」の2種類のサービスがあります。
- 訪問診療:定期的な訪問診療(基本月2回、状態に応じて変更可)
- 往診:急な体調不良時などに必要に応じて行う臨時の診療
※往診のみの利用は基本的にできません。
在宅医療は何科の医師に診てもらうべき?
結論から言うと、在宅医療はどの診療科の医師でも対応可能です。専門外の診療であっても、基本的な治療や処方を行うことができます。
たとえば、消化器内科の医師が循環器の病気の治療薬を処方したり、褥瘡(床ずれ)に関する治療を行ったりすることも可能です。
ただし、入院など専門的な治療が必要な場合には、専門の病院や専門医へ紹介することがあります。
複数の医療機関での治療を1つの在宅医療機関にまとめることも可能です。その際は、診療情報提供書を用いてスムーズな移行を図ります。
在宅医を見つけたいときはどうしたらいい?
在宅医療を行う医師を探すには、以下の3つの方法があります。
1.主治医に相談
まずは、かかりつけの主治医に相談してみましょう。
入院中の方は、主治医や病棟の担当看護師から、「退院支援看護師」や「医療ソーシャルワーカー(MSW)」などの、問題解決のために各機関の調整や連携を支援する相談スタッフにつなげてもらえます。
2.ケアマネジャーに相談
すでに介護保険サービスを利用している場合は、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)に相談するのも1つの方法です。
各事業所の調整や連携を支援してくれます。
3.インターネットで検索
お住まいの地域で在宅医療をしている医療機関をインターネットで探すことも可能です。
診療実績や診療体制などをホームページに掲載している医療機関も多くあります。
当サイトでも、在宅医療を行っているクリニックを検索できます(検索地域は、現在東京都、千葉県、神奈川県に対応。今後拡充予定)。
こちらから検索してみてください。
在宅医を見つけるには時間がかかる場合があるため、早めの行動をおすすめします。
在宅医療を始める際の注意点
自宅での医療行為の方法を検討
在宅医療では、ご家族が患者さんのケアに携わることがあります。初めての経験で緊張するかもしれませんが、病院と同じように行う必要はありません。無理に病院と同じ時間や手順にこだわると、ご家族の疲労につながる可能性があります。医療スタッフと相談しながら、ご家族が無理なく続けられるケア方法を見つけていくことが大切です。
緊急時の連絡先や対応について確認しておく
在宅医療では、患者さんの急な体調変化など予期せぬ事態に対応する必要があります。そのため、以下の準備をしておくことをおすすめします。
- 医療機関の連絡先を見やすい場所に掲示する
- 在宅医から以下の情報を事前に確認しておく
- 患者さんの現在の状態
- 今後起こりうる変化や予測
- 緊急時の対応方法
これらの準備をしておくことで、実際の緊急時に落ち着いて対応できるだけでなく、心の準備もできます。
まとめ:在宅医療を利用して安心な療養生活を
在宅医療や訪問診療を掲げている病院やクリニックは、基本的にどの診療科でも対応可能です。
自宅でも、定期的な医師の診察があれば、健康状態を把握することができます。万が一体調の変化があっても、往診を利用したり、専門医への診察へ円滑に移行することも可能です。
住み慣れた場所で、大切な時間をご家族で安心して過ごすためにも、在宅医療の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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