「24時間体制の介護が必要…本当に自宅で支えていけるのだろうか…」
「訪問看護は何をしてくれるのだろう?」
頚髄損傷により、大切なご家族の在宅ケアを検討されている方は、このような不安を感じていませんか?医療ケアの複雑さや介護の重労働、経済的な負担など、さまざまな心配があることでしょう。
訪問看護はこうした不安に寄り添いながら、医療ケアやリハビリ、生活支援を提供し、患者さんの自立と健康をサポートします。
この記事では、訪問看護の役割や具体的なサービス内容、利用できる制度までわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
頚髄損傷患者さんの在宅生活と訪問看護の役割
頸髄損傷は、首の脊髄が損傷することで、体のさまざまな機能に影響が出る疾患です。損傷の程度によって症状は異なりますが、日常生活の多くの場面で医療と介護の両面からのケアが欠かせません。
一般的な症状と影響には、以下のようなものがあります。
- 体の麻痺による運動機能の低下
- 感覚障害による温度や痛みの感知の低下
- 呼吸機能の低下による呼吸困難
- 排泄機能の障害
- 体温調節機能の低下 など
≫頸髄損傷の症状について詳しく知りたい方はこちら「訪問診療で安心の自宅療養|頸髄損傷の患者さんに必要な医療ケアとサポート体制」
患者さんとご家族の生活の質を保つためには、適切な医療ケアと介護体制の構築が不可欠となります。そこで重要となるのが、訪問看護によるサポートです。
頚髄損傷患者さんの訪問看護で受けられるサービス
訪問看護では、患者さんの状態や生活環境に合わせて、医療的ケアから日常生活の支援まで、包括的なサービスを提供しています。
訪問看護で提供される具体的なサービス内容
頸髄損傷の患者さんへの訪問看護では、以下のような多岐にわたるサービスが提供されます。
- 医療的ケア
- 体調管理
- 呼吸器ケア、痰の吸引
- 排泄管理(導尿・排便コントロールなど)
- 床ずれの予防とケア など
- 日常生活のサポート
- 入浴介助などの清潔ケア
- 体位交換の指導
- 食事介助の方法指導
- 移乗動作の介助と指導
- リハビリテーション
- 筋力の強化や拘縮の予防のための運動
- 残存機能を活かした生活動作訓練
- 歩行器や車椅子などの使用 など
- 精神的なケア
- 話や思いを聴きケアに反映
- 主治医と連携
- 異常の早期発見と対応 など
訪問看護によるご家族への支援
頸髄損傷の患者さんのケアは、たとえご家族であっても、身体的にも精神的にも大きな負担がかかるものです。
訪問看護師はいつでも相談できる身近な存在として、ご家族の支援においても重要な役割を担います。以下のような支援を通してご家族の負担の軽減を図ります。
- ケアや介護方法の指導
- 緊急時の対応方法の指導
- 買い物や休息時間の確保
- 精神的なケア など
これらの支援により、ご家族は自分自身の時間を持ちながら、安心して患者さんのケアに取り組めます。
頚髄損傷患者さんの訪問看護における重要管理ポイント
安全な在宅生活を送るために、訪問看護師が中心となって、以下の点に注意を払います。
日常的なケアの重要性とリスク管理
日々の体調管理やリハビリの継続は、機能の維持や悪化の防止、さらには転倒・転落や誤嚥のリスクを低減します。また、体位変換や清潔保持などのケアは、床ずれや感染症などの合併症を予防するのに効果的です。
訪問看護を活用すれば、専門的な指導のもとで日常ケアの質を向上させられ、ご家族の負担も軽減できます。日々のケアで、長期的な健康維持が可能となり、合併症に伴う入院のリスクも減らせます。
呼吸器や循環器の管理と感染予防策
頸髄損傷では、呼吸器や循環器への影響も生じます。
特に、重度の損傷では呼吸機能が低下することがあり、人工呼吸器の使用や痰の吸引が必要になることもあります。循環器においては、血圧管理や浮腫み・血栓予防が大切です。
訪問看護師は、呼吸器や循環器の定期的なモニタリングを通じて早期に問題を発見することに加えて、感染症も含めた予防策を講じることも可能です。
頸髄損傷の患者さんが利用できる社会資源
頚髄損傷の患者さんが安心して暮らせるよう、さまざまな公的支援制度が整備されています。
訪問看護に適用される公的保険
訪問看護を利用する際、費用負担の心配が問題となります。
頸髄損傷は厚生労働大臣が定める疾患に該当するため、訪問看護には医療保険が適用されます。医療保険が適用されることのメリットは、以下のとおりです。
- 1日2〜3回、週4日以上の訪問看護が利用可能
- 複数の訪問看護ステーションの利用が可能
- 高額療養費制度の利用可能(月の医療費の負担は上限額まで) など
患者さんの生活や自立を支える公的サービス
以下のような支援サービスを利用できます。
- 身体障害者手帳
- 税金や公共料金の軽減
- 各種給付(日常生活用具、補装具など)
- 各種割引(公共施設、電車やバスなどの公共機関、携帯電話料金など)
- 障害福祉サービス
- 居宅介護:ヘルパーによる生活支援
- 移動支援:ヘルパーによる外出支援
- 年金や手当
- 国民年金、障害厚生年金
- 特別障害者手当 など
これらのサービスは自治体の福祉窓口で相談・申請が可能で、認定条件や審査があります。
患者会や地域コミュニティの活用
頸髄損傷の患者さんやご家族にとって、同じ境遇や経験を持つ方とのつながりは大きな支えになるでしょう。
各地域には患者会やサポートグループが存在し、情報交換や悩みの共有ができる場を提供しています。コミュニティへの参加は、精神的なサポートを受けられるだけでなく、最新の医療情報や社会資源に関する有益な情報も得られます。
地域の福祉サービスを組み合わせることで、患者さんの生活をより良いものにすることが可能です。
まとめ:訪問看護が安心安全な自宅療養とご家族の継続的なケアを支えます
訪問看護を活用することで、患者さんは自立を目指し、安定した在宅生活を送ることが可能です。ご家族のサポートと訪問看護の利用が、長期的なケアの継続力につながります。
まずは、医療機関の相談室やお近くの訪問看護ステーションにお気軽ご相談ください。
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